2013年8月25日日曜日

Episode1-(12) Examination.


その夜、当然のように眠れませんでした。幸い、多くの空手イベントと違い、昇段審査は午後からです。今回広報係の私が審査ということで、代わりに広報を買って出てくださったドンと時間を合わせて、電車に乗っていつもの伊勢原体育館へ向かいました。

丁度昼に到着し、受付を済ますと、持参した弁当を、まるで食べる気がしないのに、無理やり流し込みました。

「大人は落ちない」という噂を聞いた事があります。そんな話を過信してはいけませんが、そういう期待はありました。でも、これは都市伝説でした。組手は相手が必要ですし、型もそして移動基本も2人同時に実施します。ですからずっと一緒に受審した大人の方がいらっしゃいました。その方が
「今回二度目なんです」
なんて事を言っておりました。

私の歳だと、普段の稽古を大真面目に一回こなせば、かなり疲れます。その上、審査の前には本部指導員の大先生による、講習会があるのです。例えば足を地面に付けないでひたすら蹴りとか、大変な内容でした。本当に、ボロボロでした。でもこのボロボロが大事なのです。



そして、審査。

審査は、移動基本、組手、形の3項目ですが、 受審者は沢山います。特に初段は多いので、効率優先で順序を調整しますので、どこから始まるかわかりません。私は、最初自由一本組手でした。一番心配な内容が最初に来て、ある意味良かったです。前日の夜の特訓の成果もありましたし、相手の方の癖もあまり無く、驚くくらい難なくこなす事が出来ました。自由一本に今回から変更されたと言っても、やはり組手は勢いとか気迫が大事だと思います。
自由一本の様子。(難なくと言いつつ、体幹ずれているなぁ~)

そして移動基本。順番の都合か、かなり時間が空きました。

個人的には移動基本は一番きついのですが、状況に左右され無い。つまりは、実力がそのまま出る感じなので、やるだけやるしかありません。でも力んでいたのでしょう。審査員の先生に終わった直後呼ばれて、「硬いよ。もっと力を抜いて」と言われました。

手刀受からの貫手


さて、形です。個人的に組手が苦手とはいえ、やはり最大の難関は形です。緊張は大敵です。
緊張して力むと、普段普通に出来る事もできません。
でもこの状況で、緊張するなという方が無理があります。
県大会の話で、試合前に疲れるほどアップをしたらフラフラで、試合どころでは無くなるから、おっさんは無理な運動をしてはいけないと考えていたのですが、これは間違いでした。
前日の通常稽古、そして昇段審査前のやたらにきつい講習会。組手のあとは妙に待ったのに、たまたま、移動基本の後、ほとんど間髪入れずに形の審査になってしまいました。とても辛いのです。普通に前屈立するのもきつい状況です。でも、1つすごい効力がありました。私にとって最大の敵である「緊張」。これが出てしまうと、実力半減以下です。でも、ものすごく疲れた反面、なんだか体がカッカして、頭はボーとして、ほとんど緊張しませんでした。
審査をしてくださった県の支部の先生からは、
「力み過ぎ。今幾つよ?その歳なら、もっと力を抜を抜いて、立ち方をしっかり丁寧にやらなきゃダメだ」
と形の審査の後おおよそそんなニュアンスでダメ出しされました。至極、もっともなご指摘だったのですが、私的にはかなりこれでもかなりリラックスして臨んでいました。まぁ、複数の先生に同じ事を言われるということは、最重要改善項目に決まっています。なにかにつけ、改善すべき点がはっきりしていて、それを改善する機会があるということは、多分、きっと、幸せな事なのだろうと思います。
右拳が伸びすぎに見えるかもしれませんが、「これは「受け」じゃない。裏拳打なんだ。」という信念でをもっての事です。
形の審査が終わった後、程なくして、審査発表でした。その場で結果が出るわけです。車の免許の筆記試験の後のような気分です。





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