2012年7月6日金曜日

Episode1-(3) Beyond the summer.

4月始めに正式入会すると、毎週土曜日に、ほぼ欠かさず稽古に参加しました。

とにかく、楽しくてしょうがなかった。はりきって稽古しました。

あるとき、稽古が終わったあと、師範に基本的な型を頭から全部流すように教え頂いた事がありました。具体的には平安初段から五段までを、丁寧にゆっくりと教えて頂いたのです。
ところどころ、初めて見るような気がしました。

その時だけで無く、たまに、自分が覚えているのと違うと思うことが多々ありました。
それは、団体の違いによるものと、20数年の間に変わってしまったものと、その長い年月の間に私の頭の中で勝手に変更されてしまったものなどの理由が考えられますが、多分そのすべてが入り交じっているのだと思います。矯正は案外大変でした。
逆に、完全に忘れ去ってしまったのに、体が覚えていたというパターンもあります。
程度は型によって違いますが、鉄騎初段という型は、知らないと思っていたのに、なぜか出来たのです。完全に頭だけが忘れていたのでしょう。

あるとき、9月に2つの大会があるので、出るかと聞かれて、二つ返事で出ることにしました。
ただ、9月には審査も受ける事になっていて、とても練習が足りないような気がしました。
平日は、仕事の都合でどうしても時間に行けないのですが、40分から1時間程度遅刻してなら行く事ができます。
7月から週3回全て行く事にしました。さすがに暑いし、楽しくてしょうがないというほどでは無く、かなりきつく感じました。

こうして、タオル1本、500mlのペットボトル1本ではとても足りない、妙に暑い夏も過ぎ、お盆休みに腰痛が発症して歩くのも辛いという困った状況を抱えつつ、残暑激しい9月の頭、20数年ぶりの審査を受けました。当時、他団体からの移籍制度がありました。特に級の審査を受けなくても、一年間修行を積んで、段審査を受け、合格すれば、初段認定されるというものです(※)。その制度を完全には使わず、師範のお勧めもあり、昇段審査までに、昇給審査を受けることになりました。これは、後で思うに、正解だったと思います。武道とはそんな甘いものではありません。そんなに器用では無いので、20数年のブランクは簡単には埋まらないのです。
移動基本と、かなり不慣れな自由一本組手、型はこのときと、続く大会のためにがんばって練習した抜塞大。

審査をしていただいた先生の一人からは、「正確さが足りない」とご指摘を受けました。抜塞大は簡単そうに見ええて、細かい挙動が難しいという事を、その後段々覚えて行くことになります。

(※移籍制度はその後、確か2度ほど内容が変わり、現在では無くなっている模様です。)

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