2013年3月23日土曜日

Episode 1-(10) Towards the Retake.-1

以前にも書いたと思いますが、ウチの道場はいつも変わらぬ鍛錬ををモットーに、稽古をしますが、現実的には、直近のイベントに向けての稽古が中心になります。
地区予選(県大会)が終わったら、今度は5月の昇級審査に向けて、動き出します。

私は、その審査は受けないので、試合も終わったし、少し体を休めたいところですが、6月の昇段審査があるので、それに向けて、また頑張らねばなりません。

2012年5月19日昇級審査の様子

昇段審査。つまり黒帯になるかどうかの審査です。
高校生の頃、空手を辞める直前は、黒帯を絞めていました。
だから「奪還」という気持ちもありました。
でも、その高校生のときの黒帯は公式なものではありませんでした。当時の団体及び所属道場のルールでは、黒帯は道場で「仮に」取得をして、そのあとで、都の公認審査らしきものを受けなくてはならなかったのです。(当時は都民だったのです。)その審査に二度落ちています。しかも、形は合格点で組手で落ちているという結果でした。もはやその審査の様子は思い出せませんが、その結果だけは、今でも頭に残っています。実質、茶帯に近いので「奪還」は言い過ぎなのですが、どうも頭のなかには「奪還」という文字がこびりついていました。

道場は昇級審査モードでしたが、昇段審査の形を決めなくてはなりません。
師範はいつもは、「何にしますか?」と希望を聞いて下さいますが、この時ばかりは違っていました。一応聞きはしましたが、一応です。完全に指定されていました。ニュアンスとしては
「形はどうします?観空大はダメです。慈恩にしましょう。今回は獲りに行きますから。」
と言われました。言葉の意味も十分理解出来ました。「獲りに行く」ときと、だたの「挑戦」では、違うのです。実は、地区予選の延長で、そのまま本当に観空大で行こうと思っていたのです。笑ってしまいました。

慈恩。
以前の話でも書きましたが、比較的私の中では習熟度がマシな型です。
その理由は、「一番やり込んでいるから」です。高校生の頃の二度の審査失敗も、慈恩で受けていました。どうも縁があります。(いや茶帯のレベルでは一番ポピュラーなので、不思議では無いのですが。)
だから、飽きてしまっているのか、低姿勢が多いのがきついのか、自分の中で「魅せる」と思える部分が少ないからか、実はそんなに好きでは無いのです。

そして、これも以前の話に書きましたが、それでいて、習熟度が高いかといえばそんなわけでは無く、他の形を演ずるより「マシ」なレベルです。「きつい」とか、「魅せ場が無い」とか抜かしている場合でも無いのです。それから完成に少しでも近づけるために、必死こいて練習しました。